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医療事務の求人が難しい〜採用市場の現状とその対策について〜

医療事務採用のポイント

近年、特に今年に入ってから医療事務の採用が難しくなっているという声が増えています。実際に、都内、地方問わず、今まで求人媒体に掲載していれば応募があったものが、応募の減少や応募自体こない、といったことが起きています。

そのため、採用について課題感をもち、様々な対策を実施されていると推察しますが、課題に対して、その原因を突き詰めずに、打ち手を講じても見当違いである可能性があります。

例えば、「応募がこない」理由として、

(a)求職者に認知されているのか?

(b)認知されているのに応募がないのか?

で大きく対策は異なります。

理由が(a)なのに、「応募がこないから、給与条件をあげよう」といった判断は意味がない対策になってしまいます。

今回の記事は、「そもそもなぜ、医療事務の採用が難しくなっているのか?」について徹底して解説していきます。「自身のクリニックではどうか?」という視点で考えてみるための参考にしていただけると幸いです。

目次

1.医療事務の採用が難しくなっている要因
2.このような状況の中でクリニックはどのような考え方をすべきか?
3.クリニックが持つべき考え方①:魅力的な労働条件や労働環境を整備する
4.クリニックが持つべき考え方②:医療事務に選ばれる採用戦略を講じる
5.まとめ

1.医療事務の採用が難しくなっている要因

①労働人口の減少とクリニックの増加

統計によると、少子高齢化に伴い労働人口の減少が顕著となっており、これが医療事務の採用に影響を及ぼしていると考えられます。一方、医療機関の数は、医師数の増加に伴い、年々増加傾向にあります。
労働人口は減少しているのに、医療機関数が増加していることで、クリニックあたりの求人倍率が向上し、採用難の状況を作り出していると考えられます。

②他業界への人材流出の可能性

また、「医療事務の労働条件の悪さ」が大きな要因であると考えます。

・忙しい、残業が多い

クリニックごとの特徴や日によるばらつきがありますが、クリニックの仕事は、残業が多いと言えます。クリニックでは、夕方の診療終了間際に患者様の受付が集中することも多く、そういった日は、診療終了時間を超えて診察が続き、患者様が帰宅してからレジの締め作業などをするとどうしても残業が発生してしまいます。
また、月初めから10日くらいまで、レセプト作成が必要となり、その期間は残業量が増えるクリニックが多いです。

・ストレスフルな業務

医療事務の仕事は非常にストレスフルです。患者数が多いクリニックでは、多くの患者様の受付対応、会計対応、電話対応、窓口の問合せ対応、レセプト対応など素早く正確に業務を進める必要があります。
素早く正確に業務対応いただいているにも関わらず、 患者様からのクレームを真っ先に受けるのが、受付スタッフさんです。
忙しく、クレームを言われやすい、、、決して楽な仕事ではないと言えます。

・給与が低い、上がりにくい

医療事務は、給与平均が250万円〜350万円(1)(2)とされています。厚生労働省のサイトJobtagによると437万円となっていますが、実態として合わないので、参考にならないと考えます。お問い合わせいただく先生のお話やハローワークやindeedなどの求人媒体の内容を見ていても、前者の方がしっくりきます。

参考
平均年収.jp
転職サイトdpda 平均年収ランキング(職種・職業別)
職業情報提供サイトJobtag
職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)

・他業界の働き方の多様性

他業界では、新型コロナウイルスの影響から、リモートワークの導入が進みました。 リモートワークによる在宅勤務は、子育てをしている方や、家事をされる方達にとっては非常に魅力的な労働条件です。
また、人材不足は他業界も同様ですので、他業界の働き方の多様化や賃金の向上などが、医療業界から医療事務人材が流れている可能性があります。
以上のような要因から、医療事務は、労働条件がよくないにもかかわらず、賃金や働き方の多様性も他業種と比較して低いことから、採用難の状況が進んでいると考えます。

このような状況が進むと、採用に手がかかり、院長自身のストレスとなります。その結果、医師としての業務に集中しきれず、患者様満足度の低下、さらには今後のクリニックの発展に大きな影響を与えてしまいます。

次章で、人材不足の状況を打破し、クリニックの発展を進める考え方について解説します。

2.このような状況の中でクリニックはどのような考え方をすべきか?

採用難が進む中でクリニックは、下記のようなことを抑え、人材不足や採用難を経営の重要課題として取り組む必要があります。
人材不足を打破する考え方としては下記の考え方があります。

①魅力的な労働条件や労働環境を整備する
②医療事務に選ばれる採用戦略を講じる

それぞれについて詳細を記載します。

3.クリニックが持つべき考え方①:魅力的な労働条件や労働環境を整備する

先述したように、医療事務のイメージは、「忙しくて、給与が低い」というイメージがあることが予測されます。
そのため、そのイメージを払拭するような、労働条件や労働環境を検討する必要があります。
「そんなに給与を出すことができない」というクリニックでは「生産性を高める」という考え方が有効です。

例えば、既存の業務を見直し、業務効率化を実施することや、テクノロジーを活用し、人がやらなくても良い仕事をテクノロジーに任せてしまう方法があります。

クリニックには、“よくよく見直すと改善可能な業務” が多く見られます。さらに、近年は、電子カルテをはじめ、予約システム、WEB問診システム、自動精算機などの新しい業務効率化のための製品があります。

また、クリニックでは在宅勤務は難しいと考える先生が多いかと思いますが、zoomなどのシステムを活用することでリモートワーク環境を整備することは、クリニックでも可能です。

上記のように現場の業務を見直し、様々なテクノロジーを適切に活用することで、間違いなく、現場の生産性が高まり、働きやすい環境を作ることができます。

4.クリニックが持つべき考え方②:医療事務に選ばれる採用戦略を講じる

現状行っている採用方法を見直し、他業界の企業や、医療業界の競合と比較されたときに、魅力的に映るような採用方法を講じることです。
日々、採用の戦略は変わってきています。今までは、チラシやハローワークのみで採用できていたものが、求職者がインターネットを使って、就職情報を検索するようになりました。

そういった、求職者の検索行動を加味した、求人情報の発信を意識する必要があります。

さらには、その情報をより魅力的に映るように、掲載内容の見直し や作成写真による訴求を行うなどの方法が考えられます。

5.まとめ

以上、医療事務の採用が難しくなっている?!その要因を解説しました。
では、「具体的に何をすればいいの?」という点については、後日記事をアップしていきます。

今後とも皆様にとって有益となる記事を発信していきますので、何卒よろしくお願いします。

この記事の執筆者

株式会社新世紀 マーケティング部
川越 雄太

大学卒業後、大手コンサルティング会社にて、医療機関のコンサルティングに従事。その後、医療介護人材紹介会社の経営企画部門を経て、当社へ入社。クリニックや薬局のコンサルティング、ITシステム導入支援のアドバイスを行なっている。

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